国立情報学研究所 根本研究室(量子情報科学理論(QIST)グループ)について

●「量子情報処理」の理論研究をしています

量子情報処理とは、物理の基礎を成す量子力学というルールに基づき、現在のコンピュータとは原理的に異なる、新しい情報処理を行おうという研究分野です。当グループは、量子物理学への理解をいっそう深めつつ、産業界など応用面からも大きな期待のかかる量子情報処理の実現化へ向けた理論研究を行っています。qulink201103

●世界レベルで分野に貢献する研究を

量子情報の分野には、世界に名立たる最先端的な研究拠点がいくつかあり、そのリーダー達を当グループの客員教授に招聘して、共同研究を行っています。また海外の若い優秀な研究員がポスドクとして参加するほか、国際色豊かな学生達の交流も盛んで、日常的に国際的な研究コミュニティの一角として活動しています。毎年開催する国際会議に加え、第一線で活躍する国内外の研究者によるセミナー&ディスカッションも多数開催しています。icqi2009

●「Qulink Seminar」について

東京大学村尾研究室と共同で運営する量子情報研究者のネットワーク「Qulink」を基盤に、「Qulink Seminar」も定期開催しており、今年100回を数えます。講演後にはフリーディスカッションも行われ、まだ論文となっていない新しい考えを、本人から直接聞くことができます。若い研究者や学生には、聞いたその場で理解し、自分の考えを発展させたり、プレゼンテーション力を磨いたりする絶好の機会でもあります。qulink web site

●学生でも研究者としての自覚に立って

当研究室は、根本教授の理論的リーダーシップの下、グループとして量子情報処理の実現化という一つの方向性を持っています。これと同時に、メンバー各自が研究者としての自覚と責任を持ち、各々が自分で見つけたテーマで自由に研究を進めることが求められます。そして週1回の定期ミーティングで、メンバーは全員一週間の成果を手短に発表し、研究の進展と問題点を他の人と共有します。なおグループでのコミュニケーションは、すべて英語で行われています。qulink web site

●QISTグループで研究するには?

東京・一ツ橋にある国立情報学研究所(NII)では、総合研究大学院大学 複合科学研究科情報学専攻として、大学院生の受け入れを行っています。修士課程を含む5年間課程と博士後期のみの博士3年課程があります。NIIの国際交流協定(MOU)や総研大の海外渡航研究プログラム、また2008年度からは日仏情報学連携研究拠点(JFLI)も置かれ、量子コンピュータが主要テーマの一つに選ばれています。201003

●オープンオフィスとお問い合せについて

毎年6月のNIIオープンハウス(下の写真参照)の際に、総研大情報学専攻入試説明会が行われます。詳細はNIIのホームページに掲載されますので、ご覧ください(情報学専攻のパンフレットはこちら)。また当グループへ御連絡いただく際には、ご自分の研究についての目標や希望を明確にして、お問い合せください。
連絡先:nemoto(a)nii.ac.jp201003