2009-06-05掲載
みなさん、こんにちは。
今週は……
「そろそろ、マトは出ないのかい?」
の声にお応えして、
ブツリとリョーシからぷいッと離陸して、
マトリョーシカ Special コンテンツを
お届けしてまいります。
「マトリョーシカ Special コンテンツ 2009」
のテーマは、ずばり、
「オリジナルマトを作る!」
なのであります。
あーでもない、こーでもないと試作したり、
マトリョーシカ作家を目指したり(!?)しながら、
マトリョーシカのさらなる魅力を、
実践的に探ってまいりたいと思いますよ。
各回とも、
いろんなマトリョーシカ画像をまじえて
お送りする予定。
なおマトリョーシカの歴史(正)については、
一橋大学教授・坂内徳明先生にお聞きした
マトリョーシカ Special コンテンツ 2008
「ほんとうのマトリョーシカ。」
に詳しく掲載しています。併せてご覧ください。
ではさっそく、どうぞ。
●ほんとに描けるんですか?●
実はこのコンテンツ、事の次第は、
2009年の正月にさかのぼる、わけなんですよ。
あ、そういえば、
白木のマトリョーシカを買ったのでしたね?
2009年1月7日のことでした。
(購入時のブログ記事は
こちら
)
正月の縁起物ということで、
段ボール箱一杯の「福袋セット」で
どどーんと買ってしまったのですよ、わたし。
一番大きいのが、なんと身長26cm。
卵型のもありましてね、
この最大のやつが、高さ16cm。
というのをはじめとしてですね……
まあつまり、大きいものから小さいものまで、
ALLロシア製の白木マトが
ずらりと揃ったわけなんです。
ま、結論から言うと、
少々、買いすぎだったんですがね。
うーん。
で、その時「白木のマトが来たよ!」と
リョーシカに電話したところ、第一声で、
「ほんとに描けるんですか?」
って言われちゃったんですよ……。
●問題の「キョクメン」●
ま、ただこのようにバリエーション豊かに
サイズが取りそろっていたことで、
わかったこともありましてね、
大きさについては、
握りやすく、描くに細かすぎない、
外形身長12cm前後のものが作りやすい
と思います。
で、さきほどの続きですが、
その後続けて、リョーシカは訊いたのです。
「下絵のようなのが描いてある
わけじゃないんですよね?」
いや、つまり私は、
マトリョーシカは曲面になっているから、
平たい紙に描くようにはいかないので、
難しいよ、ということが言いたかったのです。
ええ。ただ実はわたし、そのキョクメンでは、
そーかな-? って、思っていたのですよ、
「どこが難しいの?
手芸工芸のことならリョーシ猫にまかせとけ!
」
ってね。
曲面なことぐらい、見ればわかりますよ。
ま、ゲタ顔、スクエア顔、ってマトがあっても
面白いかもしれないけど。
でも、難しくなかったですか?
はい。やってみたらこれが
予想以上に難しかったです。
何が難しいって、そのまず
下絵を描くのが難しい。
それはやっぱり、球面・曲面だからなんです。
確かに、この最初の下絵ってところで、
ええっ!って感じ
だったんですよ。
●フリーハンドの醍醐味!●
たとえばね、平面だったら
当たり前に使えるはずの
定規が使えない
。
ついでに円だって手書きで描かなきゃならない。
昨今、フリーハンドで線引いたり、
円を描いたりってことは、
あんまり、やらないじゃないですか。
そうですねえ。
そういうことを夢中になってやっていると、
かなりタイムスリップしますけどね、実際。
時間感覚が、歪むと言いましょうか。
しかし同じ自分が一方で、
もうちょっと技術的になんとかならないか、
ってやり方をいくつも考えてるんですよね。
下絵を投影させてなぞったらどうかとか
ゴムのような素材の定規を使ったらどうだとか
手まりを巻く時に等分するようなやり方だとか
──どれも実現可能なアイデアではあるんですが、
ま、結局のところ、大量生産向き。
やっぱりフリーハンドでやるのが
おもしろいんじゃないですかね?
うん。結局そこへ落ち着きまして。
ま、もちろん測る工夫はしてもいいんですが。
●オリジナルマト作りのアウトライン●
では下絵が描けたとして、
その後の流れはどうなりますか?
はい。順当に、色を塗ります。
乾いてから、ニスを塗ります。
ニスは二度塗り、三度塗りをすれば、
よりツヤツヤになります。
ふむふむ。
下絵でひるむわりには、そのあとは
意外と簡単そうでしょう?
ただ塗ったあとに
乾燥させるという工程があるので、
始めたその日に完成というのは難しい
かも。
ロシアのマトリョーシカ工場の写真などを見ると、
顔を描く人は顔を、ニスを塗る人はニスを、
というように、流れ作業になっていて、
一人の作業台に何十個ものマトが
スタンバイしていますよね。
ああいうふうに工程と工程の間に
うまく乾く時間が設けられていると、
とても作業がスムーズだろうと思われます。
でも、そんなにたくさん作るんですか?
そこがね、手作りですから
あくまで一点もののオリジナルマト!
ふむふむ。楽しみですね。
(つづく)