第16週:ニスで磨きをかけましょう。
2009-07-10掲載


さてこれで絵付けは終わったぞ、
と思ったら、
続いては、ニスを塗っていきますよ。

ところでこの「ニス」、
「ああ、塗ったことある!」
という方と
「ニスって何ですか?」
という方といると思います。

まったく塗ったことのない方は、
マトリョーシカを塗る前に、
試し塗りをしてみるのがおすすめ。

お試し用として、たとえばかまぼこの板とか、
どうしてもなければ割り箸なども、
大いに役に立ちますよ。

なんだかいつもミニっちい話
恐縮なんですが。

というわけで、
さっそくニスを塗りましょう!


段落替え

●ニスを塗る前に確認しておくべきこと●

わたし マトリョーシカつくりって、
ある意味、いさぎよいんですよ。

リョーシカ
と、いいますと?


わたし あんまり後戻りのしようがないんですよね。

つまり、一つ一つのプロセスを、
ある程度集中力を発揮してやる。

そしたら失敗しようがどうしようが、
次のプロセスへ行く。

多少リカバーみたいのはしますが、
それでも全体としてみると、
かなり一筆書きという感じがします。

リョーシカ
筆の勢いみたいなものが大事ですよね。


わたし
行うは易くなし、なんですよ、そこが。



●ニスを塗る道具一式●

リョーシカ 今日はニス塗りの工程を
紹介してくれるのでしたね?


わたし はい。ここでもやはり、
いったんニスを塗ったら
後から絵を描き足したりできないので、
ほんとうにこれでいいか
よく確認してからスタート、でございます。

必要な道具は、ざっとこのような感じです。

マトリョーシカ絵付け、ニス塗りの道具一式

わたし ・透明ニス
・ニス用刷毛
・ニス専用うすめ液(なくても可)


※道具一式については第14週を参照

リョーシカ あれ? 錐(きり)が置いてあるけれど
リストにはないですよ。


わたし ええと、それが微妙でして。
現実的には、錐(きり)は絶対必要!
と思うのですが、
確かにサポートする道具にすぎなくはあるんですよ。

つまり、ニスってサッとひと刷毛で塗りたいのだけれど、
全部ベタベタになってしまうと、
持って支えるところがなくなってしまうのですね。

そこで、このようにマトリョーシカの底面に
錐(きり)で差しておくと、
作業上たいへん都合がいいわけです。

塗った後も、かざぐるまや
ペロペロキャンディーを売っているみたいに、
ダーッと並べて乾かせるし。

マトリョーシカ絵付け、ニスを乾かす

リョーシカ
なるほど、そうですね。


わたし また錐(きり)にはいくつか種類があって、
写真に載っているのは四ツ目錐といって
刃が細長い四角すいになっているタイプ。
いちばん一般的なものだと思います。

このほか、刃先が細かく割れている「ねずみ刃錐」、
ダイヤ型の平たい刃先がついている「三ツ目錐」なども、
マトリョーシカを差すのに、使いやすそうです。


●重ね塗りが、つやつやの決め手●

リョーシカ ふむふむ。
ニスにも種類がありそうですよね。

マトリョーシカ絵付け、ニスの種類

わたし はい。ありました。
いわゆる一般の木工等用の水溶性ニス(写真左)
アクリル絵具の上に塗る用のニス(写真右)、
……などです。
そこでまずはこの2種類を試してみました。

それからうすめ液でうすめたものと、
原液塗りと、両方やってみました。

それから2度塗り、3度塗りにも
挑戦してみました。

リョーシカ
ふむふむ。

マトリョーシカ絵付け、まだ塗っていない状態

わたし 一番違ったのは、二度塗りでした。
塗ってすぐは、下の写真のように
つやつやして、とってもきれい。


マトリョーシカ絵付け、塗りはじめた状態

わたし ところが乾いてくると、
光り方もすっかり落ち着いてしまいます。

そこで、乾くのを待って、もう一度塗ります。
これで、かなりつやつやしてきます。

下の写真は二度塗りが終わった状態です。

マトリョーシカ絵付け、乾いてきた状態

わたし それからアクリル絵の具用のニスは
水道水で薄めることができ、
「水溶性」と書いてある木工用のほうは、
専用のうすめ液が必要になります。

「水溶性」って書いてあるのに、
水道水では薄まらないんですよね。。。

リョーシカ
やってみたのですか?


わたし ええ。泡が出ちゃってだめでした。

それからアクリル絵の具用のニスは、
木工用のと比べると、
パリッと乾くまでの時間が
若干長いような気がします。

またもちろんべったり塗れば乾きが遅く
液を薄めて、薄く塗れば乾きが早いです。

リョーシカ
なかなかおもしろそうですね。


わたし あ、それから、
ちょっとマットな感じに仕上げたい時は
つや消しのニスも売っていますよね。
わたしはどちらかというとつやつや派なので……


リョーシカ 私もつやつやに塗ってある
マトリョーシカのほうが好きです。


わたし そうでしたか。
実は今回使ったのも、つや出しタイプですが、
わたしの印象では、このつや出しタイプでも
薄めた一回塗り程度では
かなりマットな感じに仕上がります。

つやつやにしたいと思ったら
薄めたニスで、何度も塗り重ねるのがポイント
かと思いましたよ。

リョーシカ
ほほう。

マトリョーシカ、ネコマトとリョーシカ2

(つづく)


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