2009-07-24掲載
突然ですが、「太陽系儀」というものを
ご存知ですか?
太陽を中心として、
水星、金星、地球といった惑星や、
ついでに月などの天体の動きを、
複雑に歯車を組み合わせたりして、
再現させる、精巧なメカなんです。
なんと古代からあったんだそうですよ。
ちょっと待った!
「それでも地球は回っている!」と言った
ガリレオの立場はどうなるんだ?
と思った方もいらっしゃることでしょう。
ところが、古代ギリシアには
地球が中心だと考える天動説と、
太陽が中心だと考える地動説、
その両方があったんです。
古代ギリシアで先駆的に地動説を主張した
アリスタルコスという人物は、
現在月のクレータにその名を残しているんですって。
さて、そんな「太陽系儀」にちなんで、
今週の『週刊リョーシカ!』は
早くも、新しいマトリョーシカ作りに
挑戦いたしますよ。
でもって、ちなみに3個組。
では、どうぞ。
●「惑星」とは何か?●
もう、新しいマトリョーシカを
作ったんですか?
そうなんですよ。
太陽系がテーマで、3個組とくれば、
・太陽マト the Sun
・地球マト the Earth
・月マト the Moon
の3体ですよ!
太陽系をイメージして、デッサン開始
なるほど、いいですねえ。
しかし月は、太陽の惑星ではありませんよ。
あ、そうか。
……じゃ、何の惑星なんです?
猿じゃないし……。
地球の衛星です。
失礼しました。
太陽、地球、月の順になっているんですね。
ええ。
●サンドペーパーは入念に●
今回使った白木のマトリョーシカは、
2つ目のマトの胴体に欠けがあったんですよ。
このままではちょっとなあ、と思って、
少し入念にサンドペーパーをかけてみました。
サンドペーパーをかけるときに、欠けなども修正しておく
それから、マトの頭部ですが、
あまり「鉢が張らない」シルエットが好きなので
丸くなるように、頭の角も削りました。
こういうときは
サンドーペーパーよりも、
鉄製のやすりのほうが、
うまくいきますね。
そうですね、私もマトリョーシカは
丸いふっくらした感じのほうが
かわいい気がします。
頭部をなるべく球に近い感じにして、
顔を少し大きめに
まんまるに描いていきます。
白木のマトリョーシカの曲面に、デッサンのイメージを移して、下絵を描く
●筆で線を描かない絵付け●
今回の太陽儀マトは、
線を描かないで塗ってみようかな
という気持ちもちょっとあったんです。
輪郭を描かないということですか?
ええ。
特に太陽をとりまくコロナや
そこからふわっとでてくるプロミネンス(紅炎)
などは、いかにもグラデーションで描くのが
ぴったりというイメージだったので、
線を描かずに、色の濃淡で
影や境をつけたらどうかなあと、
うっすら思っていました。
他のマトリョーシカも同様に、下絵完成
なるほど。
そのほうが雰囲気が出ますね。
皆既日食の際、太陽がすっかり隠れると
ふわっとその周りから明るく見えるのが
コロナですね。
プロミネンスが見えることもあります。
ところが、その雰囲気を出すのが
やはり難しかったのです。
高度に装飾的なマトリョーシカの中には
絵付けといっても、
木の上に絵画を描くような雰囲気の
ものがありますよね。
線を描くのが難しいと思っていたけれど、
面のほうが難しかった。
そうかもしれないですね。
マトリョーシカの絵付け「塗り」のプロセス。
一方、地図や文字を描くのは
比較的スムーズだったです。
やはり書いている量が違うんでしょうね。
そうだと思います。
ニスを塗る時は、まず乾かす環境を整備してから。
というわけで、こんな感じにできあがりました。
地軸ならぬお顔が、
23度26分傾いているような……
それから太陽マトのあたまには
プロミネンスらしきものも
描いてみました。
ふむ?
太陽系儀マトリョーシカ(まえ)
太陽系儀マトリョーシカ(うしろ)
(つづく)