量子の世界をのぞいてみよう
Welcome to the Quantum World #001

「東京QKDネットワーク」@小金井

写真は、2010年に構築され、現在もつながっている「東京QKDネットワーク」の小金井制御室です。通信の世界では世界的に、送信者側を「Alice」受信者側を「Bob」と呼びますが、これはRSA暗号の論文で使われたことでいっそう習慣化したのだそう。通信では、いつも両端に人の存在があるため、説明を容易にする効果もあるといいます。さて、図の中の[+]マークをクリックして、「東京QKDネットワーク」の装置をぜひ詳細にのぞいてみてください。

 

半導体光子検出器

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Bob側の量子暗号ネットワーク監視装置の一部には、半導体による光子検出器が設置されている。飛んできた光子を検出し、電気信号に変換してBobに渡す役割を果たす。距離はおよそ45キロまでだが、鍵生成レートが高い。写真は「APD」と呼ばれる、検出器のなかでもキーとなるパーツだ。

 
 

受信(Bob)側

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受け取った光子は、光子検出器に送られ、電気信号となって戻ってくる。このデータを送信(Alice)側と別回路でやりとりして鍵を生成する。

 
 

超伝導 量子暗号ネットワーク監視装置

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半導体の代わりに超伝導による光子検出器を用いた量子暗号ネットワーク監視装置も、同じ制御室にセットアップされている(写真左)。銀色の円柱の部分が冷却装置。半導体光子検出器と比べて、長距離に強く、現在はこちらが大井町とつながっている。写真右は、検出素子。

 
 

光子の重ね合わせ状態を生成する光回路

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緑色に光っているところが光子の通り道である導波路。左から右へ、2本の導波路が交差し、上の短い導波路と下の湾曲した長い導波路に分かれ、右の交差点で合流した後さらに2つの導波路に分かれる。光子は左端の導波路(下の方)から右へ入射し、長短2つの導波路に「同時に」侵入し、右端の出射端で、時間的に前と後の2つのパルスに一個の光子が同時に存在する重ね合わせ状態が生成される(光回路の横のサイズは1cm程度。この前後に光子の変調装置がつながれている)。

 
 

送信(Alice)側

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単一光子発生装置から出た光子は、建物内を一巡りして、受信(Bob)側につながれている。

 
 

波長多重型の光子信号送信装置

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ここには暗号鍵生成に必要な乱数情報を光子に載せて送信する装置が合計8つ並んでいる。上段の装置から光子の重ね合わせ状態がこの8つの送信装置に送り込まれ、各送信装置ごとに光子の色(波長)を変えて、8波長の光子の重ね合わせ状態のそれぞれに独立に乱数情報を符号化して、それらをさらに波長多重結合器で束ねてから、一本の光ファイバーに入射して受信者へ向けて送り出す。

 
 

テレビ会議

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東京QKDネットワークでは、この量子暗号ネットワーク監視装置を使って、テレビ会議のデモも行われた。ふつうのテレビ会議に見えるが、実は背後にQKDが働いており、動画データは、次々に生成される量子鍵によって暗号化され、安全に送受信されている。

 

図の中の[+]マークをクリックすると、説明文が表示されます。

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