量子の世界をのぞいてみよう
Welcome to the Quantum World #013

日吉キャンパス(横浜市)にある、慶應義塾大学物理情報工学科 伊藤研究室の様子。さまざまな計器が並び、精密なコントロールが必要とされるなか、シリコン同位体に関するノウハウが積み上げられてきた実験室です。近年は「なんといっても冷やさなくてもいい」というダイヤモンドにも注力しているとのこと。研究室のウェブサイトはこちらから

 

シリコンウエハー

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実験に利用される28Siエピタキシャルウエハー。直径100mm(4インチ)の100ウエハー上に0.9ミクロン厚の28Si(99.92%)薄膜が化学気相法(chemical vapor deposition: CVD)により形成されている。

 
 

シリコン結晶の模式図

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各ボールがシリコン原子。このボールが炭素になるとダイヤモンド結晶となる。

 
 

同位体の違いによるシリコン結晶模式図

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左図:通常のシリコン結晶の模式図。リンが入っている場合には低温において電子を1個束縛する。よって、それぞれのリンにおいて31P核スピンと電子スピンの各1個が量子ビットとなる(リンごとに2つのスピン量子ビットがある)。しかし、上のリンと下のリンでは置かれている環境(周辺のシリコン同位体の分布)がことなり、特に29Si核スピンによる磁場揺らぎがあると、リン電子スピンおよび核スピンの位相がすぐに緩和し、量子情報が失われてしまう。各ボールがシリコン原子。このボールが炭素になるとダイヤモンド結晶となる。
右図:28Si単結晶ではすべてのシリコンが核スピンをもたない28Siであるため、磁場の揺らぎが生じず、リン量子ビットのデコヒーレンス(位相緩和)が生じない。

 

図の中の[+]マークをクリックすると、説明文が表示されます。

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