2008-09-12掲載
さあて、今週もリョーシだぞ!
と勢いこんでみたんですが、
よくよく考えるとですね、
量子計算の「量子」のほうに気を取られて
「計算」のほうへ、
気持ちが回らなかった、
ってことに気づいたんです。
というわけでちょっと意外かもしれませんが
「計算」って何ですか?
ってところから、
今週は改めて考えてみたいと思いますよ。
「量子か計算か、それが問題だ」
というわけで、
今週もGO! GO!
ところで「計算」って何でしょう?
っていうのが、今週のテーマなんですよ。
ふむふむ。
計算っていうと、ほら算数の問題とか、
それから数学上の難問!
みたいのもありますよね、
「フェルマーの最終定理」とか……
(なんのこっちゃかわかんないけど)
そうですね。
パソコンを使っていると、
いろんなところで計算が行われている
のがわかりますね。
パソコンで計算なんかしません、
わたしは。
調べたり、書いたりするだけです。
それを実現しているのが
計算です。
たとえば検索エンジンを使って
膨大なデータの中から知りたいものを
見つけてくるとか
ハードディスクの中から
必要なファイルを探してくるとか。
こういったことはみんな計算によって
行われています。
いろんな計算があるんですねえ。
わたしが計算しなくても、
パソコンが、計算してたか。
ひとが問題とか課題を見出した時に
計算というものを使って
ひとつこの問題を解いてやろうというように
チャレンジすることができるわけです。
なるほど。……それはつまり
情報処理(information prosessing)
ということでしょうか?
うーん、
コンピュテーション(computation)
ということですねえ。
そうなのか。
ではこの計算は難しいとか、
あの計算は難しくないとかいったことは
どのように決まるのかというと、
問題の規模が増大した時に、
計算にかかる時間がどんな割合で増えるか
によって判定することができます。
素因数分解を解くという問題の場合は
素因数分解すべき数が大きくなるに伴って、
解くのにかかる時間は増加していきます。
簡単な計算の例なら思いつくような
気がします。たとえばこんなのとか……
これがほら、定数的に増加する
というやつですよ。
もっと難しい問題ってあるんですか?
いくらでもありますよ。
こわいもの見たさで言いますとね
たとえば?
規模の増大にともなって
時間がかかるような問題は
たとえばこんなカーブになったり……
……すると、難しい問題だろう
と考えられますね。
他にも難しそうなものは
いろいろあります。
いったいどれだけ難しのか……。
ただ計算量の判定は難しくて
たとえば長い間、大変難しいとされていた問題も、
ひらめきによって新しい解法が見つかって
比較的簡単な問題になってしまった
ということも、ま、ごく稀にですが
まったく起こらないわけではありません。
うーん、わたしそろそろ
量子のほうへ戻りたくなってきました。
まだいーですもん。
そうですか?
量子コンピュータは、現在、
前述のような意味で「難しい」
と考えられている問題が、
飛躍的に速く解けるのではないかと
期待されています。
そんなにスゴイんですか。
スゴイかも知れないという
見込みがなければ
誰も注目しませんよ。
では、今週はこのへんで!
ええっ!
(つづく)
最近よく、
計算とか、情報処理とか、
解を求める、つまり問題解決とか
そういった基本的な言葉の意味を
リョーシカに質問してみるんです。
するとね、
結構意外な答えが返ってくるんですよー。
ああ、そういう意味だったのか、
と単純に思うものもありますが、
どちらかというとそうじゃない、
わたしは違った意味だと思っていた
ということが多いんですよね。
しかもリョーシカの話に沿って
改めて考え直してみると、
もう絶対解けまいと思っていた
世の中のさまざまな問題が
なんだ、結構解けそうじゃない、
なんて思うんですよ、意外なことに。
さて、量子も計算もわかってきたところで
来週は「量子計算」の話を
どんどん進めていきます。
どうぞお楽しみに。