2009-04-17掲載
先週はなぜか
宇宙みたいに巨大な話と
ミクロ・ワールドというちっちゃな話に
なりました。
中ぐらいにしてよ、と言いたいところですが、
理論物理学者のリョーシカによると
「中ぐらいはたいへんである」
のだそうです。
「そりゃ、そーですよね」
ということなんですが、じゃあどこが
「そりゃそー」なのですか? と訊いてみました。
──めいっぱい大きいところを考えたり
とっても小さいところを考えるから
主要な要素だけを考えても
性質が理解できるのであって
中ぐらいだと、どうアプローチするか、
いろいろあるでしょう──
というのです。
だけど、思いませんか?
「いろいろ」の方なら、まだイメージできるけど
巨大やミクロはイメージしにくいなあ、って。
しかし量子を考える際、
実はなくてはならないのが、この
「想像力」
です。
目に見えないものを、イメージする力です。
さてと、今週もまいりますか。
最近、わたし、
「アンケート」って見ると
つい答えちゃうんですよ。
ほほう。
リョーシカのアンケートが集まらなくて
どーしよー、ってどっかで思ってるんですね。
きっと。もう何も考えずに
回答し始めてますから、最近。
ふむむ。
アンケートっていうのは
貴重な時間を答えていただくのですから
作るときにしっかり
準備をしておかなくてはいけません。
はい。
次回の課題としたいと思います。
引き続き、
ご回答を受け付け
ておりますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ご回答、お待ちしております。
さて今回の結果は、
これがちょっと面白いんですよ!
2つに意見が分かれました。
今週の問題は、
「量子とは何だと思いますか?
どちらか少しでも近いほうを。 」
という問題で──
ひとつめが「単位」
もう一つが「概念」
さあて、アンケートの結果は
2009年4月10日の集計で、
回答数28票
「概念」18票(64%)
「単位」10票(36%)でした。
うーん、これは……。
ちょっと困った問題ですねえ。
と、いいますと?
うむむむ。
量子は、自然界にあるものは
連続量ではなく、ひとつふたつと数えられるような
「離散値」から成る、
という発見から始まった考え方です。
ということは……?
ひとつふたつと数えられるのだから、
それは「単位」として考えることができるんです。
しかし量子というのは、
ある特定の「量子」という物質
があるわけではなくて、
「概念」なのです。
ってことは、ドローですか。
ええ、どちらも正解です。
ギャオ。
しかし、猫にとって「単位」と言えば、
その代表選手がメートルでしょ、
世界標準時といえばイギリスでしょ、
身近なところでスケール(秤)でしょ、
というわけで、図にすると、
だいたいこんな感じに思えるんですよ。
ああ、またへんな図が出ましたね。
名付けてトホホ・チャート。
では……ここに1メートルのいう長さがあるとしましょう。
この「メートル」は単位ですね。
ではこの単位を使って何かを測りますよ。
はい。わかりました。
えっと、何測ろうかな。
じゃあ、この植木鉢の観葉植物の高さを測って……
だいたい1メートルですね。
すると1メートルの高さがある。
ではそれ、どこから数えたんでしょうか?
ここがゼロという「基点」がないと、
どこからどこまでが1メートルなのか、
わからなくなってしまいますよ。
グリニッジ天文台は、
ここをゼロにしようと定めた場所ですから、
この「基点」にあたります。
そして実際に1メートルを測った時に使った
「ものさし」が、
まさに“測るもの”ですから
「はかり」ということになりますね。
ということは、このトホホ・チャートは、
単位
(メートル法)
基点
(グリニッジ天文台)
はかり
の図だったのか!
そのようですよ。
ただ、たとえば1メートルは、
半分にすれば0.5メートルというように
分けて考えることもできますが、
量子の場合は、1つ、2つというふうに現れ、
それ以上分けることはできません。
単位といっても、そこは違う点ですね。
しかしながら、単位という考え方は大切です。
何かを測るためには、
「どれくらい?」に答えなければなりません。
そのためには、ある量を「1」と決めます。
それ知ってますよ、「計量化」!
ええ。1となる大きさで、
1つ、2つ、と数えられるようにすることで
私たちは物を取り扱うことができます。
自分で「単位」を作ってもいいんですか?
いいですよ。
使いやすいものを作ってください。
でも……わたしがちょっと困るなあと思うのは
「単位」っていうのは、
1つ、2つと数えられると同時に、
「目に見えて」これ、とわかるものですよね。
単位という考え方は頭の中で決めたことでも、
それが自然界の「ある長さ」に対応している、
だから現実にものさしで測ったりして
「使える」わけじゃないですか。
ところがリョーシの場合は、
「単位」でありながら「概念」なんだから
つまり、リョーシという単位に当てはまる
自然界の現象が「ない」ということ?
先週
の答えは何でしたか?
量子は
「自然界にあまねく存在する」
でした。……ってことは「ある」のか。
もちろんです。
量子は現実にあるものなのです。
しかもそこらじゅうにあるんです。
ただ、これは水、これは酸素というような
物質の名前ではないのです。
うう、まだ、すっきりしないなあ。
じゃあ突然ですけれども
「ロハス」っていう言葉がありますね、
私は詳しくありませんが、
「ロハス」っていう物はあるんですか?
たぶんないですね。
でもある商品を、これは「ロハスだ」
と考えることができます。
違いますか?
そうそう! そういうふうに使いますね!
つまり、その商品が
「ロハス」的な特徴を備えている。
と考えられます。
ふむふむ!
そうするとグリーンマネーみたいのが
単位になって……
うーむ。
あんまり詳しく考えると
違ってしまうかもしれませんよ。
でもかなりすっきりしましたよ。
リョーシはロハスだったのか、と。
むむむ。今週は、このへんで。
おっと!
なんだ、リョーシって
「ロハス」だったんですねえ。
いやー、わたしもこのたび書くまで
気がつきませんでした。(!)
物理学の概念、なんて聞くと
もうそれだけで
むずかしい!と思い込んでしまいますが
人間のアタマは本来、
概念を取り扱うことは得意なはず。
手短に言いますと、
リョーシを楽しむのに向いている!
と言えなくもないのであります。
(あとはほら、
「想像力」!
)
わからないことは
どんどんリョーシカに訊くとして。
さて、来週も
ずんずん進んでまいりましょう。
と、その前に、アンケートのほうも、
どうぞよろしくお願いいたします。
ご回答はこちらから。
それでは、また来週!