第4週:量子はどこにある?
2009-04-10掲載


お花見へは、もう行かれましたか?
今年の桜は、一週間ぐらい楽しめましたが
そろそろ散り始めていますね。



さて、不思議な量子をテーマにお送りしている
『週刊リョーシカ!』PART2、
「マトしきリョーシカ!」。
今週はいよいよ、量子そのものへと
迫ってまいりますよ。

ミクロの世界で(第2週を参照)
不思議に振る舞う量子(第3週を参照)
ですが、ではこの量子、
私たちの現実の暮らしの中の
いったいどこにあるのでしょうか?
──というのが今回の質問でした。

どこってそりゃ……
どこなんでしょ??

段落替え

わたし さて今回の質問は、
量子はどこにあると思いますか、
というものでした。


リョーシカ
どこにあるか? ですか。


わたし おっと、マテ・リョーシカ!

リョーシカでなく、みなさんに
次のふたつの中から、
こっちかな? と思うほうを
1つを選んでいただくんですよ。

1 実験施設の巨大な装置内にある
2 自然界にあまねく存在する

リョーシカ
わかりました。


わたし 今週のデータは、
2009年4月3日の集計で
回答数28票、
「自然界にあまねく存在する」22票(79%)
「実験施設の巨大な装置内にある」6票(21%)
でした。

アンケート結果04

わたし で、どっちかっていうと、
どっちなんですか?


リョーシカ
量子は、自然界にあまねく存在します。


わたし すると正解は「自然界にあまねく……」
の方でした。

みなさん、当たりましたか?

リョーシカ 正解された方が多かったようですね。

「実験施設の巨大な装置内にある」
というのは、素粒子の
巨大な実験装置であるカミオカンデ
をイメージされたのかもしれません。

わたし ああ、カミオカンデって、
「ブツリ」の研究拠点ですよね?


リョーシカ ええ、そうです。
まさに物理的な研究といえます。


わたし 確かに……立派な実験施設の中で
ここでしか捕らえることができない!
ってものを研究しているのは、
学問的にもとっても貴重な感じがしますね。

だけど、リョーシは、どこにでもあるのかあ。
なんだかありふれてますね。
質より量、って感じ。

リョーシカ
え? そうですか?


わたし だって、猫にとって「ブツリ」と言えば、
まず大きいもの=宇宙、
それからやたら小さいもの=素粒子、
あとはやっぱりノーベル賞というわけで、
図にすると、だいたいこんな感じに
思えるんですよ。

現代物理学チャート1:素粒子、宇宙、ノーベル賞

リョーシカ
ふむむ。


わたし で、このどこに
量子が入るんでしょうか?

リョーシカ なるほど、
素粒子物理学と量子物理学は
それぞれ異なる関心を持った分野ですが、
素粒子は量子だと考えてもいいですよ。

わたし じゃあ今度は逆に、
量子力学と相対論は
現代物理学の2つの柱──といわれますが
この場合、素粒子はどこに入るのですか?

現代物理学チャート2:相対論と量子力学

リョーシカ 相対論と量子論は、
現代物理学の2つの根本原理ですから、
2つは一体となって、
物理学を支えなければなりません。

しかし考える対象によって
一方の効果がとても支配的で
他方の影響はほとんどないこともあります。
そういう場合には、
支配的な方を見ていくことになります。

たとえば、宇宙のように
大スケールの現象を説明するときには
相対論の「出番」ですし、
ミクロの世界のように
小スケールの現象を説明するときには
まさに量子論の「出番」
ということになってくるわけです。

わたし
「出番」はだいたい決まってるってことですね。


リョーシカ はい。

ところが……
相対論と量子力学を融合するのは
なかなか難しいのです。

わたし
難しい、というと?


リョーシカ たとえば、重力を取り扱うときなどに
難しいところがでてきます。


わたし
そんなに問題なんですか?


リョーシカ はい。
では今週はこのへんで。


わたし
あ、ちょっと マテ・リョーシカ!

段落替え

大きい・小さいの話から
現代物理学の大問題まで、
今週は幅広くお届けしてまいりました。

しかし「ブツリ」ってのは
とてつもなくでかいものか
おそろしくちっちゃいものか
……できればその中ぐらいが
有難いような気もしますが。

さて次週は、こんな質問です。
「量子とは何だと思いますか?」
二択のうち、どちらか少しでも近いほうを
お選びください。

ご回答はこちらから。

では来週も、
どうぞお楽しみに。


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