わたしだけのマトリョーシカ。
第20週:わたしだけのマト、完結編
2009-08-07掲載


10週にわたってお届けしてまいりました
「わたしだけのマトリョーシカ。」
今週はいよいよ、最終回となりました。

(来週からは、ふたたび
リョーシとブツリの世界へ帰還いたします。)

というわけで、夏休みまきまきでお届けする
「わたしだけのマトリョーシカ。」最終回、
どうぞお楽しみください。

段落替え

●最終回のオリジナルマトは?●

リョーシカ さて、最終回の今週は、
どんなマトリョーシカが出来上がったのですか?

わたし ふふふ。
三匹が行く、って感じの、
三匹のこぶたならぬ、
ねこだけのマトリョーシカ!

リョーシ猫マトリョーシカ(まえ)
リョーシ猫マトリョーシカ(まえ)


リョーシ猫マトリョーシカ(うしろ)
リョーシ猫マトリョーシカ(うしろ)


リョーシカ うゎっ、ほんとうだ。
今度こそ、「わたし」に似ていますよ。


わたし ありがとうございます。
なんかちょっと民芸調になってしまったな、
と思って、
このあと、ニスで磨きをかけました。
ニスでかなり「民芸」感が薄れますね。

しかし、なぜですかね?

リョーシカ うーん、わかりません。
しかしツヤツヤ感で、
民芸調が薄れるのは確かに感じますよ。

わたし うーむ、なんでだろう……。

さて、今回もこのマトリョーシカを
作るプロセスの写真をご覧いただきながら
話を進めてまいりたいと思います。



●作ってわかったマトづくりのコツ●

わたし 今回もまずデッサンをして、
白木のマトリョーシカに下絵を描いてから
塗り始めました。

リョーシ猫マトリョーシカ制作記1
デッサンと下絵を描いたところ


わたし 塗り方は図案的に、という方針で、
『週刊リョーシカ!』のテーマカラーを中心に
配色していきました。

このように先に使う色を決めて、
パレットを用意してしまったほうが
確かに塗りやすかったです。

リョーシカ マトリョーシカ作りにも
だいぶ慣れてきた感じですねえ。


わたし 最初は1セット作るのに
いったい何日かかるんだろう!!?
って感じだったですけれども、
最近はかなり短い時間でも
できあがることがわかってきました。

なにしろアナログなものですから
作れば作っただけ、
ノウハウが溜まっていく……
っていう感じですね。

ま、言い換えると
失敗の数だけ、教訓がある
ってことなんですけれども。

リョーシカ しかし、何も考えなくても
次々できてしまうというのでは、
それがひとつの到達点であるにせよ、
つまらないですよね。

わたし ええ。あるいは……
絵というものは勉強のしがいが
すごくありそうだけれども、
それならマトリョーシカを通じて
やることないんです。

だからあくまでも
マトリョーシカを作るには?ってことで
体験を教訓にまとめてみました。

ずばりリョーシ猫の
マトリョーシカ作りのコツ7箇条!


リョーシカ
ふむむ……。


リョーシ猫マトリョーシカ制作記2
絵付けを開始。白を塗ったところ。


●研磨という技術は奥が深いのだ。●

わたし 第1条:マトリョーシカ作りは一発勝負

まずマトリョーシカ作りっていうのは
基本は一筆書きだと思います。
一発勝負で、やり直さない。
描いたらそれをよしとする。
よくなかったら、次のときに
もうちょっとよくしよう──
って感じ。

リョーシカ 第2条:サンドペーパーは品質の決め手

これには、同感ですね。
研磨は、技術的なことですから
ちゃんとやれば
それに合った効果が得られます。

わたし まさにそうなんです。
そこで……実は新しいツールを
仕入れちゃったんですよ。

研磨用スポンジ
スポンジ研磨剤は曲げやすいので、曲面を磨くのにぴったり。


わたし これはスポンジに研磨材料を吹き付けたタイプの
サンドペーパーならぬスポンジ研磨材。
曲面にやすりをかけるのに
たいへん都合がよろしいです。
おすすめでございます。
番手も5種類あります。

リョーシカ
なかなかいいですねえ。


わたし はい。はかどりますです。
それに、きれいに仕上がりますよ。
(詳細はamazonへ)

リョーシ猫マトリョーシカ制作記3
だんだん色が付いてきました。
3体が似た図柄の時で同じ色を使う時は、3体同時進行で。



わたし 続いては……

第3条:デザインは宇宙観を大切に

ですね。

マトリョーシカのもつ世界は
家庭の風景だったり、
童話や物語の世界を借りて
登場人物を造形したものだったり……
といろいろあるとは思うんです。

けれども、
「入れ子」構造という独自性を活かして、
全体としてひとつの宇宙を構成するような
テーマがあると、
世界が大きくなるような気がします。

構想は大きく
作る作業は繊細に、というのが
よろしいかと思います。


●「腕に覚え」にも忘却係数●

リョーシカ 第4条:曲面の計測は各自で追求せよ

というのは、計測をするんですか?

リョーシ猫マトリョーシカ制作記3
3体マトリョーシカ用、リョーシ猫の手製スケール。
下絵を描いたり、曲面に印を付けるのに使っております。



わたし いや、顔を正円に近く描くためには
どうしたらいいか、とか、
真正面、真背面といったものを
固定させるにはどうしたらいいか、
ということは、
追求してもいいし、
しなくてもいいんだろうな、と思いまして。

たとえば私の場合は、顔の円は
フリーハンドで描くのですが、
前後左右は印をつけて下絵を描きます。

リョーシカ
なるほど。


リョーシ猫マトリョーシカ制作記4
これで絵付けは完成です。あとはニスを塗るだけ。


わたし では、あとの3箇条は、
まとめてまいりましょう。

第5条:描くときは呼吸が大切
第6条:ニス塗りは必ず上達する
第7条:最後まで作ろう

です。
ま、一般的な注意ですね。

リョーシカ ふむふむ。……で、
今後はしばらくマト作りは
お休みですか?

わたし うーん、まだわかりませんが、
やっぱり作らなくなると、
せっかく溜まったノウハウが……

リョーシカ
忘れちゃうこともありますよね。


わたし ええ。
そんな時にも、この7箇条へ
戻ってきたいと思います。

リョーシ猫のマトリョーシカ作りのコツ7箇条!
1:マトリョーシカ作りは一発勝負
2:サンドペーパーは品質の決め手
3:デザインは宇宙観を大切に
4:曲面の計測は各自で追求せよ
5:描くときは呼吸が大切
6:ニス塗りは必ず上達する
7:最後まで作ろう

……というわけで、
来週はいったんお休みをいただき、
再来週からはリョーシとブツリのコンテンツ、
再開でございます。

リョーシカ
どうぞお楽しみに。

リョーシ猫マトリョーシカ(完成)1
リョーシ猫マトリョーシカ(対話篇)


リョーシ猫マトリョーシカ(完成)2
リョーシ猫マトリョーシカ(道草篇)


わたし マト話におつきあいいただき、
ありがとうございました。


(つづく)



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