第28週:大スケールといえばユニバース。
2009-10-12掲載


こないだの十五夜、ご覧になりましたか?
リョーシ猫ことわたしは
月見団子を食べながら、宇宙の話をする、
というのが、十五夜恒例でございます。。

さて、あまり小さいところばかり注目していると
目が疲れたりしますので、
今週はどどーんと
夜空を眺めてみたいと思います。

大きなスケールといえば、天体。
これもほら、言うまでもなく
実に物理な話題のひとつ。
というわけで、
さっそくリョーシカに教えてもらいましょう。

では、どうぞ。

段落替え

●夜空よ今日もありがとう

わたし 夜空って、きれいだけど
とらえどころがないですよね。
目を凝らせば凝らすほど、
ピンぼけるし、
宇宙の果てってどこかな、と思うと
わけわかんないですよ。

リョーシカ でも太陽と月は見たことがあるでしょう?
天体の中でも一番身近なのは、
やはり太陽系です。

太陽の周りを地球が回っていて、
その地球の周りを月が回っているわけです。

わたし だけど地球は自転していて、
でもって公転もしていて
月も回ってるんですよね?

リョーシカ はい。
回っているということは、
引力が働いているわけですが……

わたし ちょっと待って!
なんで回ってると
引力が働いているんですか?

リョーシカ たとえば星が太陽のそばを通りかかって
さっと通りすぎてしまいました。

──もしそういうことがあれば、
引力が働いていない、と考えられます。

でも地球の場合は、太陽と地球の間に
ある距離を維持したまま
公転しているわけですから
太陽と地球とで、引っ張り合っている、
その状態で釣り合っているんだ
って考えられるわけです。


●君の名は、ブラックホール

リョーシカ で、星と星とが引っ張り合っている
その力が、重力です。

重力は、馴染みがありますよね。
私たちが地球上にいわば
張り付いて生活しているのは、
重力があるからです。

それに宇宙と言えば……

わたし
ブラックホール!


リョーシカ そう、ブラックホールがあったりと
大きいスケールでは重力が主役です。

ところがです、重力っていうのは、
万有引力のことだから、
私たち自身の間にも、引き合う力が働いています。

わたし うーん。
人とねこの間にも引き合う力が
働いているんですか???


リョーシカ そうです。
ニュートンが、林檎が落ちるのを見て
万有引力を発見した、というのは
とても有名な話ですよね。


●赤い林檎に寄せて

わたし あれれ?
ニュートンが発見したのは、
重力じゃないの?


リョーシカ
ああ、やっぱり。


わたし ええ? 
じゃあその重力が、万有引力なの?


リョーシカ いやどうも以前から
気になっていたんですけど
木から林檎を落ちるのは
地球に引っ張られているからだ
というのでは……
見えているそのままですよね?

わたし
確かに。


リョーシカ だからそうではなくて
ニュートンは、落ちる林檎を見て
なぜ林檎は落ちるのか、
引力で地球に引っ張られているからだ
──としたら、
私たちをふくめてすべての物と物との間にも
そのような引き合う力が働いているはずだ、
と考えて、それを万有引力と呼んだのです。

重力は質量に比例します。
でも私たちの質量は小さいので
その力をふだん感じないで過ごしていますね。

逆に考えると、それだけの引力を生み出す
地球が、いかにでかいか、そのスケールが
感じられます。


●月のない日は星影さやかに

リョーシカ もっと大きいスケールで見てみましょう。
すると銀河系が見えてきますよ。

ここでは太陽系は点で見えるスケールです。

わたし
どんどんスケールアップしますねえ。


リョーシカ そう、頭の中なら自由自在ですよ。

最近東京ではまったく見えなくなってしまいましたが
夜空に架かる「天の川」は、
銀河系をその内側から見ていることになります。

全く明るいもののない、暗いところでみると、
点々と光る点の集まりではなく、
本当に川のように白く濁って見えます。

明るいといえば、
何も人工的な光だけではありません。
星を見るのは、月が出ていない時を選びます。

満月の夜は、
懐中電灯なしでもピクニックができるほど
明るいです。


わたし
銀河系ってUFOみたいな形してるんでしょ?


リョーシカ そうですね、中央が厚い、円盤のような形
と考えられています。
しかし宇宙にはさまざまな銀河系があり
その形もいろんなものがあります。

その銀河系が点で見えるくらいの
大きなスケールへ行くと──
今度はクラスター構造が見えてくるんですよ。

わたし
ふむふむ。


リョーシカ
では、今週はこれにて。

段落替え

海や空を眺めて
広いなあ、大きいなあ
と思うことはあるけれど、
そこから、なかなか
イメージが宇宙まで
飛んでいってくれません。

宇宙ってどうなっているんだろう?
という問いには、
いろんな答え方があるけれど
物理の場合は、そのような
すごい大きいものや
ナノのようにすごく小さいもの
にフォーカスすることで
物質を理解しようという
関心を持っているわけですね。

ふむふむ。
ではまた来週。


まえへ余白トップページへ余白つぎへ