2008-06-06掲載
梅雨めいてきました。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて『週刊リョーシカ!』は
今週から「確率の考え方編」を
お送りしてまいります。
確率と言えば──
当たるも八卦当たらぬも八卦
なんてことわざがあるので、
“要するに当たりかはずれかでしょ”
って思ってる人、
多いんじゃないでしょうか。
そこで確率の第一回目は、雨のお話。
「50%の雨」っていったい
当たりなの、はずれなの?
ってあたりを、
ざんざん降り…じゃなくって
掘り下げてみたいと思います。
ではどうぞ。
いやー、こういう昔やった
理科の問題みたいのって、
けっこう意表を突かれますよね。
数学の問題です。
はっ!
わたしはすでに意表を突かれている。
ただ確かに、確率というのは、
数学のなかでも
かなり新しい考え方のひとつだと
言えます。
ってことは、
忘れちゃったんじゃなくて
最初からわかってなかった……
ような気がしてきました。
では、さっそくですが、よく
新聞やテレビの天気予報で
降水確率○○%というのを目にしますね。
気象庁のサイト
にも載ってますよね。
ええ。そこで、例として、
東京地方のある日の降水確率が50%
である場合を、考えてみましょう。
50%というと、
たとえば天然果汁50%の
オレンジジュースみたいなものだと
わたしはわかりやすいです。
つまり、こんなイメージ。
でもって、このうち
雨にあたる部分がどこなのかというと
コップの半分ということは──
東京地方の約半分の地域……
じゃないですよね。
それは「ところにより雨」でしょう?
ああそうだ。そうですね。
では午前中は晴れるけど、
あと半分は、夜になるにしたがって雨になる。
それは「晴れのち雨」でしょう。
うーん、どうも調子が悪いなあ。
だけど……ちょっと待てよ。
雨とは何か
、というのは
きちんと定義されているわけですよね。
だとすればなおさら、それは
降るか、降らないか、どっちかでしょう。
それは、そうですね。
だから、よくよく考えれば、
「50%の雨」なんか見たことない!
んですよ、わたしは。
そこで、です。
たとえば365日、
降水確率が50%だとします。
そこで実際に雨が降った日を数えてみると、
だいたい180日だったとします。
これならだいたい50%でいいですね。
はい。
ところが365日とも雨だったとします。
それじゃあ100%じゃん。
そこでちょっと考えましょう。
確率50%でも、その365日だけ
たまたま続いて雨が降ったのかもしれない。
その可能性はゼロではありません。
そして366日目から、また365日晴れる
ということだってあり得るのです。
でも、いくらなんでも……
たまたま過ぎません?
では、本当はもともと3650日あって、
その中のほんの365日だったら、
どうでしょうか?
うーん。
36500日のうちの365日だったら
どうですか?
むむ!?
そのくらいだと、確かに、
そういう「たまたま」もあるかなあ、
という気がしてきます。
つまり無限、あるいは限りなく無限に近く
数えた場合に、その半数が雨である。
このような日が降水確率50%
ということになります。
ですからその日たまたま雨が降っても、
たまたま雨が降らなくても、
降水確率は50%なのです。
シロクロつけたい人には向かない考えですねえ。
え? 私には「確率」として
シロクロついているように見えますが。
さて今週は、これくらいにしましょうか。
ええっ!
(つづく)
「確率の考え方編」の第一回目、
いかがでしたか?
確率の考え方がわかると
たとえば雨が降るかどうかが、
もっと読めたりするのかというと、
そんなことは全然ないんですよね。
降るか降らないかは
やっぱり50%ずつなんです。
しかし一方ではやはり、
当たるかな~、外れるかな~なんて
今までモヤモヤとしかわからなかったことが
すっきりする!という効果は、
これはあるんです。
そこで次回はそんなあたりを
探ってまいりますよ。
それでも雨の気になる方は、
気象庁の
梅雨入り・梅雨明け速報
をどうぞ。
では来週もおたのしみに。
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